全国の自治体数ってどれくらい? ~比喩と比較の違いについて考える~

2018.01.19

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統計のおはなし

ライターの田原です。
毎度毎度ライトな記事ばかり書いていますが、今回もライトな記事を書きます。
4本目となると、もうネタ切れ感があるのではないかと思われるかもしれませんが、まだまだ頑張りますよ!

全国の自治体数ってどれくらい?

ところで、皆さんはどれくらいの自治体が日本にあるのかご存知でしょうか。

こういった疑問も高度情報化社会に生きる我々は、インターネットを使えば簡単に答えを得ることができます。今回はさすがに「インターネットで得られない情報を得る際は・・」というくだりはやめておきます・・ 。

今回もインターネットを用いて調べてみました。検索ワードは「全国自治体数」です。 

すると、総務省のホームページがヒットしました。 

平成2810月現在、1,718自治体となっていました。

この数値を見て、多いと思いましたか? 少ないと思いましたか? 

正直、「多いのか少ないのか良くわからない」という感想が多いのではないかなと思います。

今回は、この1,718という数値を基に、記事を書きたいと思います。

まず、プロ野球の記録に例えてみましょう

僕は現在、静岡県に住んでいますが、野球好きが多い大阪出身ということもあり、野球が大好きです。

そこで、1,718という数字が、プロ野球の記録ではどんなデータに近いかという視点で紹介してみたいと思います。

今回は日本野球機構のホームページで公開されている記録データから考えていきます。

ホームラン、安打記録ぐらい?

野球の記録といえば、やはりホームラン記録や安打記録が思いつきますね。そこで安打記録とホームラン記録を調べてみました。 

安打記録は、張本勲選手の3,085本、ホームラン記録は、王貞治選手の868 となっています。

ここから、全国の自治体数は、安打記録よりは少なく、ホームラン記録よりは多いということがわかります。

ただ、これではまだ、数値の差が大きいのであまり実感が持てませんね。

では、近い数字は?

1,718という数字に近い記録を調べてみると、安打数記録で近い数値を見つけることができました。

歴代記録82位の西沢道夫選手と、小鶴誠選手の1,717本が最も近い値であることがわかりました。

ここから、1,718という自治体数は、日本における安打記録の82位くらいに例えられることがわかります。

では、他に比べる事例を考えてみましょう

ここまで読んできた皆さんは、おそらく、何を言っているんだ? という思いに至っていることでしょう。

なぜなら、ここまで書いてきたものは、自治体数を例えるものとして紹介したものであり、比較ではないため、皆さんは実感が持てなかったものと思います。

これは“比喩”と言われるもので、テレビでコメンテーターなどが視聴者に分かりやすいよう、身近なものに例えて説明することと同じです。

自治体数を“比較”する場合には、海外の同じような行政機構を持つ国の自治体数と比べるとか、国内の都道府県別、都道府県面積別などで比較すること等が考えられます。

また、なぜ現在の1,718になったのかを時系列で比較して、その時代の背景を知ることも考えられます。

ある事柄の比較を行う際は、「何と比べれば、知りたいことがわかるのか」ということを意識することが重要になります。

今回は、1,718に近い例えを探しにいったことで混乱が起きたので、最初から自治体数という単位に着目する必要がありました。

まとめ

数値を比較する手法は、集められたデータを考察する際に良く使用される方法ですが、比喩と間違いやすいので気をつけたいと思います。

また、比較するものの着眼を見誤ると、よくわからないことになってしまいます。

調査結果レポート等でも、比較を通じた考察がなされていますが、その際、何と比較しているのかという点に着目すると、レポート作成者の意図がわかるようになるかもしれません。

 

(参考)
比喩:例えること。似かよったものに例えて表現する方法。ある物事を、類似または関係する他の物事を借りて表現すること。

比較:比べ合わせること。二つあるいは三つ以上のものを比べ合わせて,そこに認められる異同について考えること。

 

この記事を書いた人

田原 歩静岡事務所 企画課

最強の男

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