アンケート調査における良くない質問① ~絶対にやってはいけないダブルバーレルとは?~

2018.02.09

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統計のおはなし

ごあいさつ

ライターの田原です。
以前、「リサーチャー必見! 調査の価値を高める調査票設計の基本とは?」という記事で、調査票は調査において最も重要と書きました。
今回は、調査において最も重要な調査票を構成する質問について、良くない例を紹介していきたいと思います。

良いアンケートの作り方については、調べてみると色々でてくるのですが、良くないアンケートの例については、あまり紹介が無いので、実例を用いて、紹介していきたいと思います。
紹介と対応策を書いていきますので、3回くらいの連載記事にしたいと思います。

第一弾は、アンケート調査で絶対にやってはいけないダブルバーレルについて紹介します。 

ダブルバーレル質問とは

ダブルバーレル質問(double barreled question)とは、一つの質問文で二つもしくはそれ以上のことを同時に聞いている質問です。
なお、ダブルバーレルとは二連発銃のことで、同時に弾丸が二つ発射されるため、焦点が一つに定まらないことです。
そこからこのような名前がついたと言われています。 

これは実例を見た方がわかりやすいと思います。 

問 あなたは、携帯電話やパソコンを利用していますか。 

1 利用している
2 利用していない 

この質問は、携帯電話のみ利用している人、もしくはパソコンのみ利用している人は回答ができない質問となっています。
ダブルバーレル質問は、回答者がどちらを選択すれば良いかわからなくなり、無回答としてしまう可能性が高くなります。
郵送調査など、紙を用いたアンケートの場合は、対象者が「パソコンのみ利用している」と注意書きをすること等が生じて集計が困難になることもあります 

この例は、質問文におけるダブルバーレルの例ですが、選択肢にも同様なことが起こることがありますので注意が必要です。 

問 パソコンを利用する主な目的を教えてください。 

1 仕事
2 情報収集や情報発信
3 娯楽
4 その他 

この質問では、二つ目の選択肢が問題です。
パソコンを使って、情報収集のみを行う人、情報発信のみを行う人は、回答できなくなってしまいますね。

ではどうすればよいのか

2つの例でみたような状況を回避するために重要なことは、以前書いた通り、

「この質問では何を知りたいのかを明確にすること」
「答えを知るために適した質問形式を選択すること」

です。

つまり、あまり欲をかかず、本当に聞きたいことだけを聞くということが大切です。
つい、「あれも、これも、聞いておこう!」と思ってしまいますが、そうした姿勢はダブルバーレルの危険性を高めます。

また、ダブルバーレルを知らずに質問を作ってしまうということも危険です。
ダブルバーレルが起きていないかということに十分注意しながら質問文と選択肢を作成し、チェックしていれば、今回の問題は回避可能でした。

終わりに

今回紹介したダブルバーレル質問は、アンケート調査において絶対にやってはならないことです。
ダブルバーレルを見落とすと対象者が回答できない設問となり、調査において致命的な問題となるため、確実に回避しなければなりません。
しかし、回避するためには現状では、ダブルバーレルについて知る、自分で回答してみる、プリテストを行ってみるなど、詳細にチェックすること以外に方法はありません。

我々リサーチャーは、ダブルバーレル質問とならないよう、特に気を付けて調査票を作成しています。
正確な回答が得られる、ダブルバーレルの無い調査票を作ることができるかどうかが、一人前のリサーチャーになれる試金石といっても過言ではないと個人的には思っています。

(関連記事)

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この記事を書いた人

田原 歩静岡事務所 企画課

最強の男

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