地方自治体は、どれくらいの数の計画を策定しているか?

2019.04.05

1

政策のおはなし

こんにちは、ライターの山村です。
突然ですが、皆さんは、お住まいの自治体がどれくらいの数の計画を策定しているかご存知でしょうか。

自治体の計画に記載されていることは、そのまま「自治体の施策」です。
記載されたことの多くが実行されますが、記載されていないことは行われません。
その意味では、自治体の計画は、私たちの生活に影響する事柄といえるのではないでしょうか。

弊社は、様々な自治体計画の策定をお手伝いしているため、日頃から市民の皆様にも自治体の計画に関心を持っていただけたらと思っていました。
今回は、その入り口として、自治体はいったいどれくらいの数の計画を策定しているのかを調べてみたいと思います。

名古屋市ウェブサイトにて、市の計画を参照してみる

自治体が策定する計画には、その策定が法律により義務化されているものとそうでないもの(自治体が任意で策定しているもの)とがあり、その数は自治体によって異なります。
そのため、全体数を的確につかむことは容易ではありません。

今回は、1つの事例として、私が住んでいる名古屋市の公式ウェブサイトに掲載されている計画を調べてみました。

トップページの「市政情報」に、計画に関する情報が掲載されています。

まずは「総合計画」。これは、市の最上位計画です。
かつては地方自治法を根拠とする義務計画でしたが、現在は法による義務規定はありません。このあたりの話は、以前の記事にも紹介いたしました。(参照:「地方自治法改正後の「総合計画」の策定に必要な4つの視点」

財政関係では、「新財政健全化計画」「名古屋市アセットマネジメント推進プラン」の2計画が掲載されています。

また、「男女平等参画・人権・市民参加」には、「名古屋市男女平等参画基本計画2020」「新なごや人権施策推進プラン」「名古屋市市民活動促進基本方針」の3つが掲載されています。

ここまでで、すでに6つの計画が掲載されています。

さらに多様な「分野別の計画」

「市政情報」には、さらに「分野別の計画・指針・調査結果」という項目があります。
ここには、「福祉と健康」、「子ども・青少年」、「教育」、「文化・観光」など、11のテーマごとに多様な計画等が記載されています。

1つずつ見ていきましょう。

「福祉と健康」

「福祉と健康」は、さらに「高齢者福祉」、「障がい者福祉」、「福祉のまちづくり」、「生活福祉」、「健康」という5つのテーマに分類されています。
高齢者、障がい者(児)、地域等を支える福祉サービスに関する計画、誰も自殺に追い込まれることのない社会をめざした自殺対策計画、健康づくりに関する計画等が掲載されています。具体的には、以下の10計画が記載されていました。

<掲載されている計画>

「第7期名古屋市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画(はつらつ長寿プランなごや2018)」
「名古屋市障害者基本計画(第3次)」
「第5期名古屋市障害者福祉計画・第1期名古屋市障害児福祉計画」
「いのちの支援なごやプラン(名古屋市自殺対策総合計画)」
「名古屋市地域福祉に関する計画」(なごやか地域福祉2015)
「第3期名古屋市ホームレスの自立の支援等に関する実施計画」
「第2期名古屋市国民健康保険保健事業実施計画(データヘルス計画)及び第3期名古屋市国民健康保険特定健康診査等実施計画」
「健康なごやプラン21(第2次)」
「名古屋市食育推進計画(第3次)」
「名古屋市食の安全・安心の確保のための行動計画」

「子ども・青少年」

「子ども・青少年」では、子どもの保育や教育のための事業(子ども・子育て支援事業)に関する計画、ひとり親家庭への支援やDV防止対策のための計画などが策定されています。

<掲載されている計画>

「名古屋市子ども・子育て支援事業計画」
「なごや子ども・子育てわくわくプラン2015-名古屋市子どもに関する総合計画」
「第3期名古屋市ひとり親家庭等自立支援計画」
「名古屋市配偶者からの暴力防止及び被害者支援基本計画(第3次)」

主なものは以上の4つだと思いますが、ほかにも、“保育施策全般に関する総合的な計画”がないことを踏まえて策定された「名古屋市保育施策のあり方指針」、すべての子どもたちが豊かで健やかに放課後を過ごせるよう策定された「名古屋市放課後子どもプランモデル事業」など、計画と同等の位置づけを持つものが策定されています。

これらを加えると、「子ども・青少年」に掲載されているのは6つの計画です。

「教育」

子どもを対象とする学校教育だけでなく、図書館、歴史・文化、スポーツなどの施策が含まれています。
策定されているのは、教育、歴史や文化、図書館、スポーツなどの各活動の振興をめざす計画のほか、学校の適正配置や施設の維持管理に関する計画などの10計画です。

<掲載されている計画>

「なごやアクティブ・ライブラリー構想」
「名古屋市市立小・中学校における小規模校対策に関する基本方針」
「ナゴヤ子どもいきいき学校づくり計画」
「名古屋市立幼稚園の今後のあり方に関する基本方針・基本計画」
「名古屋市学校施設リフレッシュプラン」
「名古屋市歴史文化基本構想」
「名古屋市子ども読書活動推進計画」
「名古屋市教育振興基本計画」
「第2期名古屋市スポーツ振興計画」
「魅力ある市立高等学校づくり推進基本計画(第2次)」

「文化・観光」

文化や観光振興をめざした施策に関する計画が策定されています。また、“特別史跡名古屋城跡保存活用計画”のような個別の資源に関する計画も策定されています。以下のとおり、5つの計画が掲載されています。

<掲載されている計画>

「名古屋市文化振興計画2020」
「第2次名古屋市多文化共生推進プラン」
「名古屋市観光戦略ビジョン」
「特別史跡名古屋城跡保存活用計画」
「名古屋魅力向上・発信戦略」

「都市開発・建築」

このテーマには、「都市計画」をはじめ、「市街地の開発整備(17地区、23事業別)」「ささしまライブ24地区の基盤整備計画」「名古屋駅周辺まちづくり構想」「栄地区グランドビジョン」「中川運河にぎわいゾーン にぎわい創生プロジェクト」「名古屋市住生活基本計画」「名古屋市地域住宅計画」「なごや新交通戦略推進プラン」「バリアフリー基本構想」「名古屋市建築物耐震改修促進計画」など、多様な計画や事業が位置づけられています。

内容が多岐にわたるため、計画の数として数えることは容易ではありませんが、文中に記載したものだけでも33を数えます。(市街地の開発整備は23事業として数えました。)

「ごみと環境保全」

「名古屋市環境基本計画」「名古屋市一般廃棄物処理基本計画」「名古屋市分別収集計画」「名古屋市災害廃棄物処理計画」などがあります。そのほかにも、埋立処分場の維持管理計画、ごみ処理工場の建設事業などがあります。
このテーマも、計画の数として数えるのは困難ですが、文中に記載したものだけでも4計画です。

「産業・労働・消費者」

「第2次名古屋市消費者行政推進プラン」「名古屋市産業振興ビジョン2020」の2計画が掲載されています。

「防災・安全」

「名古屋市地域防災計画」「名古屋市震災対策基本方針」「名古屋市国民保護計画」など、9計画が記載されています。

「道路・川・みどり」

「公共土木施設維持管理計画」「なごや緑の基本計画2020」「名古屋市農業振興基本計画(なごやアグリライフプラン)」「堀川まちづくり構想」「東山動植物園再生プラン基本構想」など、6計画が掲載されています。

「情報・通信」

「名古屋市ICT活用に関する基本方針」が掲載されています。

「交通」

「名古屋市営交通事業経営計画2023」が掲載されています。

まとめ

策定されている計画等の位置づけ等がそろわないので、計画数を数えることは困難ですが、今回見てきた計画数を合計すると93となります。

この数をどう評価するかは難しいところですが、少なくとも地方自治体の施策が多岐にわたり、様々な計画を策定して活動していることはお分かりいただけたのではないかと思います。

 しかも、それら1つひとつの計画は、間違いなく私たち1人ひとりの生活に関わってくるものばかりです。

 今回ご紹介した名古屋市の計画は、すべて公式ウェブサイトから閲覧可能です。

この情報提供を機に、1人でも多くの方が行政の計画や施策に関心を持っていただけたら幸いです。

 

この記事を書いた人

山村 靖彦名古屋事務所

コラバド編集者。専門は社会福祉(社会福祉士)。 数多くの行政計画策定を支援してきた経験から、いろいろな提案をしていきたいと考えています。

スポンサードリンク