無料のGISとオープンデータで地域を見える化してみた!①

2016.10.24

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統計のおはなし

%e3%82%b5%e3%83%a0%e3%83%8d%e2%91%a1こんにちは!ライターの小林です!
私の興味関心ごとを、一人もくもく取り組む企画。
第2弾は、国が無料公開しているGISを使って、地域の見える化に挑戦します!

GISってなんだろう?

GISは、Geographic Information System(地理情報システム)の略称です。
簡単に言えば、色々なデータを地図上に組み込み、表示する機能全般を指します。
国土交通省が詳細な説明を公開していますので、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

国土交通省:GISとは

このGIS、有名なところではオープンソースソフトウェアの「QGIS」があり、誰でも無料でインストールして利用することができます。

しかし、

あまり高度なPCスキルが無いので新しいことを覚えるのはちょっと・・・

という方も多いのではないでしょうか。
ちなみに私もその一人(汗)。 

難しそうだからといって、地図上での可視化をあきらめてしまってはもったいない!
もし、地域の人口や産業だけなら、国が無料で公開しているGISが使えます!
それを使って15歳未満人口の割合を塗りつぶしの濃さで表現し、医療・福祉施設事業所数を棒グラフにしてみると・・・

%e5%9b%b31(出典:jSTAT MAP ,国土地理院)

南部のほうが15歳未満の割合が高いのに、医療・福祉施設は少なそうだな。
子どもが受診できる地域の診療所や病院は足りているのかな?

と、簡単にデータに基づく仮説立案ができました!
こんなこともクリックだけで簡単にできちゃうサイトがあるのです!

政府統計のGIS、jSTAT MAP!

私が使ったのは「jSTAT MAP(地図による小地域分析)」。
政府統計ポータルサイトe-StatのGIS機能です。
%e5%9b%b32

※画像をクリックすれば、e-Statサイトに移動できます。

主に国勢調査と経済センサスの小地域データを利用することができます。
例えば、人口・世帯・就業者・事業所のデータが該当します。
国勢調査などは平成22年時点が最新なので、ちょっとデータが古い点は考慮しなければなりません。
平成27年国勢調査の結果が反映されるのが待ち遠しいですね。

さっそく作ってみよう!

さて、ここからもくもく作っていきます。

ログイン画面などが出てきますが、一部の機能ならログインしなくても利用できます。
もちろん、アカウントを作っても無料です。

地域を選択するとさっそく地図が表示されました。
Google mapベースの地図も選択可能ですが、ここでは全て国土地理院ベースの地図を利用していきます。

%e5%9b%b33(出典:jSTAT MAP ,国土地理院)

私は名古屋事務所在籍なので、地元の地域見える化に挑戦します。
愛知県庁や名古屋市役所が所在する名古屋市中区の地域分析をしてみましょう!

まずは区域がどこまでか、しっかり表示したい。
そこで、以下のとおり「エリア」のボタンから行政界を選択します。

estat※画像をクリックすると動きます。
(出典:jSTAT MAP
,国土地理院)

名古屋市中区の区域がはっきり可視化できました。
(ちなみに、国勢調査の小地域を単位として細分化されています。)

次は、15歳未満の人口比率に応じて塗りつぶしをしたいと思います。
「統計データ」のボタンから、以下のように操作。

estat2※画像をクリックすると動きます。
(出典:jSTAT MAP
,国土地理院)

何回かクリックしただけで、簡単に構成比に応じた塗りつぶしができました!
GISの高度な知識は、何もいらなかったですね!

つづきます!

さて、長くなるので今日はここまでにします。
最初に挙げた例では、塗りつぶしのパターンが違ったり、他のデータが棒グラフで入っていたりしました。

次回は上記手順をもくもくしますよ。お楽しみに!

ちなみに、jSTAT MAPは、公開しているオープンデータだけでなく、保有しているオリジナルデータも地図に落とし込むことができます。
これも余裕があれば紹介していきますね!

 

この記事を書いた人

小林 寿名古屋事務所 企画課

専門統計調査士、MUDアドバイザー 主に市町村の社会調査・計画策定コンサルティングに従事 データビジュアライゼーションやオープンデータ利活用が得意分野

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