ご近所SNS「マチマチ」を活用した、新しいコミュニティづくりのススメ!

2017.10.13

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行政のおはなし

こんにちは、ライターの山村です。
プロフィールに記載しておりますとおり、私は、地方自治体の計画策定などをお手伝いする仕事をしております。

そうした活動の中で痛感することの1つが、地域における“コミュニティ機能の必要性”です。

実は、自治体の計画書には、随所に「コミュニティの活性化」等の記載がみられます。
政策として、コミュニティ機能を高めたいという意図はあるのですが、その目的を果たすための具体的な手段は、実はあまりありません。

そうした中、1つのニュースが飛び込んできました!

渋谷区が、ご近所SNS「マチマチ」と協定を結び、コミュニティの活性化に着手したというニュースです。

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この事例を踏まえ、今回は、ソーシャルメディアを活用した“イマドキのコミュニティづくり”について考えてみたいと思います。

実際のご近所どうしをつなぐSNS「マチマチ」

まずは、今回のお話の核となる、ご近所SNS「マチマチ」をご紹介します。

「マチマチ」は、ご近所に住む人どうしをSNSでつなぐサービスです。

サイトのトップページには、“スマホでご近所掲示板”と書かれています。

①引越してきたばかりのとき
②子育て・ママの情報共有に
③安心して入れる病院探しに

こんな時に便利な“ご近所掲示板”として提供されているサービスです。

最大の特徴は、“ご近所さん限定!”という点。

SNSといえど、実際に会おうと思えば会える距離にいる人たちとのネットワークである点が強みです。

Web上でのコミュニティから、“本当のコミュニティに発展する可能性を秘めたSNS”であるといえます。

コミュニティの実態

コミュニティ機能が希薄になったとされる背景には、若年世代を中心に、時間的なゆとりがないことがあげられます。
人々の生活時間は仕事中心となっており、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の実現や働き方改革等が国家的な課題となるほどです。

時間的なゆとりがない現役世代にとって、従来のコミュニティにおける役割(会長や役員等)や各種行事への参加等は、大きな負担であると考えられます。

もちろん、本来は、従来のコミュニティ活動等を通じて人と人とのつながりや信頼関係を築いていくことが大切であることはいうまでもありませんが、さまざまな負担感が若年世代の地域参加を消極的にしている可能性も否定できません。

SNSを活用したコミュニティづくりは、若年層にとって、参加しやすく、負担感の少ない手法となるのではないかと考えています。

「マチマチ」から、いろいろなコミュニティへと発展!

 

「マチマチ」はSNSですから、若者はもちろん、今日では年齢を問わず比較的なじみのある手法なのではないでしょうか。

これまでSNSなどのソーシャルメディアになじみのなかった方にも、この機に使っていただければ良い機会になると思います。

SNSを様々な課題と連動させるために、図のようにSNS上に多様な「課題対応型コミュニティ」を作ることを提案します。

例えば、“ボランティア活動への参加を促すコミュニティ”、“地域の防災を考えるコミュニティ”など、地域の課題解決をみんなで考える取り組み等を展開することができます。

あるいは、もっと“商売っ気”を出して、“地域の特産品のブランド化を地域住民が考えるコミュニティ”も良いのではないでしょうか。おそらくそこには、地場産品の生産者、加工業者、販売関係者、その地場産品を愛してやまない地元住民など、様々な人たちが集まってくるものと思います。

こうした集まりを、会議や懇談会ではなくSNS上に作ることで、多くの人があまり負担を感じず、気軽に参加できる機会となるものと思います。また、SNSでは、ディスカッションだけでなく、アンケート調査などの機械的な手法を用いることも可能です。楽しみながら参加し、課題解決のためのアイディアや情報を共有できるのが、SNS上のコミュニティです。

そして、「マチマチ」では、SNSで盛り上がったコミュニティを、イベント等を通じて実際のコミュニティに転換することができます。何しろ、ご近所SNSは、“会おうと思えばいつでも会える”人たちの集まりですから。

まとめ

今回は、ご近所SNS[マチマチ]を使った、様々な課題の解決につながるコミュニティづくりを考えてみました。

比較的負担が少なく、楽しみながら参加できる新しいコミュニティづくりにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

自治体ぐるみで、ぜひチャレンジしてみてください!

 

この記事を書いた人

山村 靖彦名古屋事務所

コラバド副編集長。 専門は社会福祉。 主に、自治体の福祉関係調査や計画策定を支援している。 社会福祉士、専門社会調査士の資格を有する。

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