コロナ禍における働く意識の変化に関する基礎調査「⑥業種別の働くマインド傾向」(シリーズ全6回)
こんにちは。意識だけ高いライターの柘植です。
新型コロナウイルス感染症の流行により、企業によってBCPの見直し、テレワーク・リモートワークの導入等の検討・推進から、あらゆるオペレーションのDXの推進が行われています。その一方で、従業者側もコロナ禍での働く意識が変容しています。
そこで、この度、当社でコロナ禍における働く意識の変化に関する基礎調査(自主調査)を行い、調査結果を公開しましたので、そのお知らせです。
以下の内容を取りまとめており、今回は「⑥業種別の働くマインド傾向」についてご紹介します。
コロナ禍における働く意識の変化に関する基礎調査シリーズ(全6レポート)
①教育研修の実施状況・参加意向
②転職時のきっかけや経緯、転職により悩みが解決されたか
③社内で尊敬できる・影響を受ける人の特性と何に影響を受けるか
④企業内の感染症対策実施状況
⑤業種別・規模別・職位別・年次別・転職経験別の額面年収の状況
今回ご紹介→⑥業種別の働くマインド傾向
現在の勤務先に満足している人48.0%、不満な人21.9%(中立は30.2%)
いきなり「足して100%にならないじゃん」というタイトルですが、小数点第2位以下を四捨五入しているのでご容赦ください。
公務は満足している人が多いように感じます。
サービス業が少し寂しい結果ですね。
メーカー、流通小売、医療は、目を細めてみると肯定、否定が二極化しているような気もしてきます。
※今回調査した「メーカー」、「IT・通信系」、「流通小売」、「サービス業」、「医療」、「公務」の各400ssの合計の割合のため、全業種の平均ではないことに留意してください。
専門性極めたい49.4%、上昇志向あり31.8%
専門性向上意向(専門性を極めたい)は5割弱ですが、上昇志向は3割強となっています。
数年前から、「管理職になりたくない人が増えてきている」という報道を目にしますが、どうなのでしょう。
マクロに見るとそのような傾向があるようにも思えますが、フリーランス人口が増えてきていたり、企業内でも専門職的な位置づけのポストが設置されたり、意識が変わるというよりも、雇用形態がシフトしていることが要因にも感じられます。
私が15年前くらい前に前職でヒアリング調査した時は、転職の敷居が下がり始め、派遣法改正もあり、人材の流動性が高まっていく過渡期で、転職者よりもプロパーの方が社内出世しやすく、転職経験者は「転職することで年収と役職を釣り上げるようにキャリアを形成する」と発言する方がいました。
つまり、いわゆる「若者の出世意欲低下」といった細かい低次元な話ではなく、キャリア形成の考え方そのものがパラダイムシフトしているような、メタ的な、高次元な話なのだろうと思います。
とか言いつつ、低次元な話に戻りますが、「社内出世」よりも「専門性を磨く」の方が、自分の居場所やポストを確保し、収入を得るために必要だ、と判断している人も増えているのでは、とつぶやいてみたりします。
※個別の構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、足し上げた際に数値が合わない場合があります。
年代別のキャリア形成意向の変容
リンク先の報告書では取りまとめていないのですが、この記事でもう少しキャリア形成意向について深堀してみます。
下図は、縦軸に「専門性を極めたい」、横軸に「管理職を目指したい」の肯定的な回答の割合として、年代別の平均をプロットした図です。
ここからなんとなく無責任に解釈すると、20代は専門性についてはまだ迷いがあるモラトリアムな時期で、なんとなく社内で出世したい!と思う感じなのだろうと思います。
その後、30代になると、「社内出世してもしょうがないし、専門性を磨く方が大事だわ!転職するかもしれないし」となり、専門性を磨く方に意識が振られるのかなと思います。
(私の個人的な考えでは、マネージャー経験の方が転職市場で有利なんじゃないかなと思いますが)
で、40代になると、専門性を極めたのか、あきらめたのか分かりませんが、両方の意欲が低下し、50代になるとキャリア形成からはリタイヤする、というパターンでしょうか。
こうなると、「経営候補を育成するのは20代から」、「専門性を身に付けさせるのは30代になってから」という対策も良さそうな気がしてきます。
業種別や職種別で、年代別のカーブが異なりそうな気もしますね。
職種別のキャリア形成意向の変容
こちらもリンク先の報告書では取りまとめていないのですが、職種別でも考察してみます。
下図は、上図同様の軸で、職種の回答割合の平均をプロットしたものです。
まず気になるのが「SE」です。上昇志向が相対的に低いのですが、「専門性向上意向」は高いです。まさに「専門性」がモノを言う職種なのでしょうか。
「医療」の業種の「医師・看護師」などを含む「専門・技術・生産」の職種も、「専門性向上意向」が高い傾向にあります。
一報、「販売・サービス」は、専門性を見出しにくい職種なのか、「専門性向上意向」が相対的に低くなっています。こちらも、専門性が評価されるアセスメント制度などが普及するとまた違ってくるのだろうなと感じます。
「⑥業種別の働くマインド傾向」の詳細は下記から、ぜひ、ご覧になってください。
<調査の概要>
・調査地域:日本全域
・調査対象:以下の業種の企業・団体に正社員として従事する20~59歳の有業者
「メーカー」、「IT・通信系」、「流通小売」、「サービス業」、「医療」、「公務」
・調査方法:インターネット調査
(インターネットリサーチモニターに対するクローズド調査)
・有効回答:2,400件
400件×6業種(うち各業種転職経験者100件)
・調査期間:2022年11月9日(水)~11月14日(月)
調査結果に関心のある方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせはこちらから!
この記事を書いた人
柘植 航大
何が得意で、何をやっているのか分からないのがいいんだよね。