ベトナムの食文化と最近のトピックス

みなさん、こんにちは。ライターのTu(トゥ)です。
今年4月に入社された新入社員のみなさん、おめでとうございます!

前回『ベトナムでは、日本産食品が大好評』のお話について、ご関心を持ってくださった方はありがとうございます。
今回は、『ベトナムの食文化』についてお話をします。

1.ベトナムの人口はもうすぐ1億人!

まず、ベトナムの基本情報について確認します。
面積は、約32万㎡で、これは日本の0.88倍。
人口は、もうすぐ1億人に達する見込みです。
主要産業のひとつは農林水産業で、GDPの約15%を占めていることになります。

そして2020年越税関総局によると、輸入総額が2,627億米ドルに達し、前年度と比べ3.7% 増加し、輸出総額も含め年々増加しています。

2.地域で異なる味の好み!

ベトナムの主食は米であり、副食は肉(鶏、豚、牛)、 魚(淡水)、香りのよい野菜(ハーブなど)です。
また、主な調味料として魚醤(ヌックマム)、トウガラシ、ニンニクなどが挙げられます。
なお、調理方法としては、油はあまり使わず、 あっさりした味づけで炒めたり、茹でたりするのが基本です。
日本の皆さんは、ベトナムでは油をたくさん使って料理をすると思われていた方も多いのではないでしょうか。

ベトナムは北部から南部まで縦に長い国土であり、気候差がある事、また、歴史的背景に違いもある事から、各地域での味の嗜好が異なります。
北部はさっぱり、中部は辛い、南部は甘い料理が好まれるという特徴があります。

北部の代表であるハノイ市の名物料理といえば『ブン・チャー・ハノイ』という米粉麺ブンを使ったつけ麺があり、酸味のあるスープにつくねやかき揚げを具にして、ブンを浸して食べます。
ブン・チャーは、細い米麺「ブン」と炭火で焼いた豚肉が入った甘酸っぱいスープ、さらにミント、レタス、大葉等の野菜がセットとなり、日本ではベトナム風つけ麺として知られているようです。

中部地域は、南シナ海に接する地域であるためシーフードが名産であり、辛味を伴う料理が特徴として挙げられます。
チャーカーというさつま揚げが中部の代表的な料理であり、日本のさつま揚げに比べ、ハーブをたっぷり使用し、カリカリとした食感が特徴的なものとなります。

ホーチミン市を中心とした南部地域は、南西にメコンデルタ地方が位置し、大自然の織りなす肥沃な大地に恵まれています。
南部の定番料理といえば米粉にココナッツミルクやターメリックを混ぜて生地を作り、野菜や肉類を挟んで焼き上げるお好み焼き料理「バインセオ」があります。

このように、地域での食文化の違いがあることから、地域によってメニューや味つけを変えている日系飲食企業が成功しています。
例えば、日本料理チェーン店である「ASHIMA」は、南部のメニューでは天ぷらや巻きずしがあるのに対し、北部ではそれらの代わりに揚げ春巻きと生野菜サラダをメニューに取り入れ、大好評となっています。

3.重要なのは「安全性」と「味」など!

外食産業がより盛んなホーチミン市では、ファストフードの展開が早く、外国料理が人々の間で広く浸透しています。
一方、ハノイでは、外食産業はまだ外国料理の展開が始まったばかりです。
これは、文化的・歴史的な背景によるところで、ハノイは保守的で用心深い傾向が強く、見たことのない食事・食べたことのない味に対する拒否反応が未だに強いためです。

2019年ベトナム大都市(ハノイ・ホーチミン市)1000人に対し食品購入ニーズを調査したベトナム商工省の報告書による調査結果がありますので、参考までに掲載します。
エリア別に分けた結果があれば、エリアの特徴差が出るかもしれません。

食品を買う際、最も重要視する項目について伺う質問に対して「安全性」と答えた人の割合が52.5%と最も高い結果でした。
前回投稿した『ベトナムでは、日本産食品が大好評』でも触れたように、『食の安全』に対する意識が高まってきていることの裏付けとなるデータであるといえます。
また、食の安全の判断基準としては、「メーカー」「農薬の使用有無」「食品添加物の有無」が高い結果となりました。

「安全性」の次に「味」が31.0%と続いているので、ベトナムと深く関わりたいと思っている方は、前述の北部から中部、南部の味に対する嗜好性も参考にしてもらえればと思います。

 

この記事を書いた人

グエン ティ ゴック トゥ

ベトナム出身で、日本およびベトナム現地における政府機関や民間企業との強力なネットワークを有する。

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