アンケート調査実務に必要な知識とは? 「自治体職員向け統計研修」レポート!

2018.02.13

21

SRC

こんにちは、ライターの山村です。
今回は、当社が実施した「自治体職員向け統計研修」の様子をご紹介いたします。
講師は、当メディアでもおなじみ、名古屋事務所の小林研究員です。

きっかけは?

実施したのは、愛知県尾張旭市。
人口約83,000人の、名古屋市に隣接した自治体です。

企画課のご担当者様から、「アンケート調査に関する基本的な知識を学習したいので勉強会を行ってくれないか」とのお話をいただいたのがきっかけでした。
ご自身も、「まちづくりに関するアンケート調査」を担当されており、庁内でのノウハウ共有や引継ぎ等がほとんど無いことに不安を感じられていたようです。
また、サンプルサイズの決定根拠にも疑問をお持ちで、これまで慣例的に決定されていた調査件数(配布数)を適正化できれば、コストの効率化も可能ではないかとのお考えをお持ちでした。

通常、自治体のアンケート調査実施業務は、(当社のような)調査を請け負う企業が、自治体の仕様書に則って、調査の設計から報告書の作成までを行います。そのため、自治体のご担当者様は、調査実務の知識がなくても業務に支障をきたすことはほとんどありません。

しかし、調査を正確に行い、調査結果を有効活用するためには、踏まえておかなければならない知識があります。

当社はこれまでも、打合せ、営業、プロポーザル等の機会を通じて調査や統計の専門知識をお話してきました。
今回は、研修会という形でお時間をいただきましたので、今までよりも詳しいお話ができたと思います。

研修プログラム

今回の研修会は、「標本調査・統計で押さえるべき基本事項を理解して、適宜参考資料を参照しながら、妥当な調査設計ができるようになる」ことをゴールとして行いました。
研修プログラムは、以下のとおりです。
前半1時間半がレクチャー及びグループワーク、後半30分が質疑応答という構成です。

「クロス集計や検定」に関心大?

研修会には、13名の方がご参加くださいました。
各課のアンケート調査のご担当者様の参加が多かったように思います。そのため、みなさん、たいへん熱心にお聞きいただきました。
事後に行った「参加者アンケート」の結果をみると、「1.標本調査と抽出方法」「2.許容誤差とサンプルサイズ」「3.正しい設問設計」などは概ねご理解いただけた様子です。

一方、「4.クロス集計と検定」については、研修の中ではあまり時間を割くことができなかったので、理解できなかった方が多かったようです。今後話を聞いてみたいテーマとして、「調査票の作成方法」「アンケート結果の集計・データ分析の方法」「検定の方法」などが多かったことから、分析や検定への関心は私たちが思っていた以上に高かったことがわかりました。

次の機会には、そうした点を踏まえた研修も考えてみたいですね。

(資料)参加者アンケート

研修の最後に設けた質疑応答の時間には、10件の質問をいただきました。
サンプルサイズや設問数の考え方、自由意見の上手な分析のしかた、郵送以外の調査方法に関すること等、多岐にわたる内容のほか、ご自身が担当されているアンケート調査の設計に関する具体的な相談もありました。
質疑応答には、後半30分を予定しておりましたが、時間が足りなくなるほど熱心にご質問をいただきました。

アンケート調査は、社会からデータを取り出す手法!

今回は、本当によい機会をいただけたと感謝しております。
愛知県尾張旭市職員の皆さま、本当にありがとうございました。

調査実務に関する知識は、確かに私たちのノウハウですから、それをオープンにすることを疑問視する方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、私たちは、社会の多くの場面で適切な調査が行われることこそが大切だと考えています。

アンケート調査は、ご協力くださる対象者の善意で成り立つものです。
私たちは、社会からデータを取り出させていただいている立場であり、本来、データそのものは公共性の高いものと考えられます。
行政機関が行う調査であれば、なおさらですので、私たちはご担当者様から、調査実務に関するご質問をいただくことは大歓迎なのです。

また、今日、国は、「すべての国民がIT・データ利活用の便益を享受し、真に豊かさを実感できる社会の実現」をめざしており、地方自治体にはオープンデータの展開による多様なイノベーション等が期待されています。

適切な調査が行われることで適切なデータが得られ、その便益を多くの市民が享受できる社会をめざすことも、このような施策に合致した考え方といえるのではないでしょうか。
(参考『IT新戦略の策定に向けた基本方針』

今回は、当社が実施した「自治体職員向け統計研修」の様子をご紹介いたしました。
他の自治体のご担当者様も、興味がありましたらぜひ当社までご一報ください!(ご連絡は、こちらから!)

この記事を書いた人

山村 靖彦名古屋事務所

コラバド編集委員。専門は社会福祉。主に、自治体の福祉関係調査や計画策定を支援している。社会福祉士、専門社会調査士の資格を有する。

スポンサードリンク