他人ごとじゃない!? 共に支えあう「地域包括ケアシステム」って、いったい何?

2017.10.13

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福祉のおはなし

こんにちは、ライターの板倉です。
今回が初めての投稿です。どうぞよろしくお願いいたします。

私は今、主に自治体の福祉系の調査や計画策定を担当しています。特に、高齢者の介護の分野では、「地域包括ケアシステム」というキーワードがよく出てきます。

今日は、この、「地域包括ケアシステム」のお話をしたいと思います。

地域包括ケアシステムとは

国がイメージする「地域包括ケアシステム」

国は、「地域包括ケアシステム」を以下のように説明しています。

団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を実現していきます。(出典:厚生労働省

どうやら「地域包括ケアシステム」とは、「住み慣れた地域」で、「自分らしい暮らしを人生の最後まで」がキーワードとなるようですね。

地域に適した「地域包括ケアシステムづくり」が課題

これまでは、高齢者福祉事業や介護サービス、医療サービス、健康づくり・介護予防、住宅施策が、分野ごと対象ごとにそれぞれ提供されていました。

「地域包括ケアシステム」では、高齢者が住み慣れた地域で自分らしい生活が続けられるよう、行政・民間企業・ボランティア団体・地縁組織・住民などが連携・協力してサポートする、その地域に適した仕組みづくりが求められています。

各自治体では、その地域に適した「地域包括ケアシステム」を構築し、更に実効性のあるものにすべく、年々改善していく必要があります。現在は、3年ごとに介護保険事業計画の策定・実施を行い、その過程で「地域包括ケアシステム」づくりを検討しており、2025年までに確立するような動きが出始めています。

「一体的な提供」って?

「地域包括ケアシステム」の説明では、「住み慣れた地域」で、「自分らしい暮らしを人生の最後まで」を実現するために、「住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される」仕組みをつくると言っています。

「一体的に提供」というのがポイントのようですね。

本人の住まいを中心に、医療が必要な場合は「医療サービス」、介護が必要な場合は「介護サービス」、いつまでも元気に過ごすための「介護予防・生活支援サービス」という、3つの専門的なサービス提供のしくみが入っています。

これらは、今までは、医療分野、介護分野、保健分野のそれぞれがサービスを提供していましたが、「地域包括ケアシステム」では、本人の状態にあわせて必要とするサービスが連動して一体的に提供されるようなしくみを目指しているようです。

でも、そのためには、それぞれのサービスを提供する側が、その人の情報を共有しておく必要があります。

「地域包括支援センター」に相談してみよう!

では、その地域で暮らす住民に必要なサービスを連携・調整するのはだれが担うのでしょう。

高齢者を中心とした相談拠点である「地域包括支援センター」や介護に関する専門職である「ケアマネジャー(介護支援専門員)」が想定されます。

何か相談ごとや困りごとなどがあれば、お近くの地域包括支援センターに問い合わせてみてください。ただし、「地域包括支援センター」は介護保険法という法律上の名称のため、自治体によっては親しみやすい愛称で呼ばれているところもありますのでご注意ください。(例:「高齢者支援センター」、「長寿サポートセンター」など)

あなたの地元の「地域包括ケアシステム」づくりに参加しましょう!

「地域包括ケアシステム」は、他人任せでは実現が難しいものです。共に支え合う地域づくりという観点も加わり、地域全体で、同じ目標に向かって進んでいくことが求められています。

まずは、高齢者の相談拠点である「地域包括支援センター」はどんなところにあるのか、生活支援や介護予防の活動にはどんなものがあるのか、自治体の窓口などで地域の情報を集めてみましょう。また、自分たちの地域の『介護保険事業計画』にはどんな将来展望が描かれているか、見てみましょう。

さらに、自治体によっては、各種計画策定を行っている会議を傍聴できるところもありますので、広報や自治体のホームページなどで確認してみましょう。

自分の地元をあなたの活動で盛り上げていきませんか。

 

この記事を書いた人

板倉  丈世論・計画部 世論・計画1課 

介護保険制度が始まる前の準備段階から自治体の調査や計画作成支援に携わっています。 社会人になってから仕事の一方で養成所に通い、社会福祉士の資格をとって活動しています。

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