ついやりがち!? 典型的なダメグラフ3選!
こんにちは!ライターの小林です。
皆さんはグラフの作り方って、学んだことがありますか?
「そんなもん、言われなくてもExcelで簡単にできるわ!」
と、言われてしまうかもしれませんね。
ですがもう一度問いかけます。
グラフを作る・見る上での注意点を誰かに説明できますか?
統計を学んだり、Excelのピボットを覚えたり、データベースのクエリで集計したり・・・
技術的なことは学んでも、グラフ作りの注意点はあまり意識せず、自分の好みで作っている人がほとんどなのではないでしょうか。
どんなに高度な集計や統計解析を行っても、データの見せ方が悪ければ
顧客や社内へのプレゼンは一瞬で炎上します。
ちょっと初心に戻って、グラフ作りの注意点、考えてみませんか?
普段から客観的データに基づいてコンサルティングを行っている視点から、
ついやりがちな「ダメグラフ」の代表例を3つ紹介します。
3D円グラフでかっこよく演出! はダメ!
まずは商品の販売比率を見せる場面。
3D加工を施した円グラフの例を載せてみます。
どうでしょう。商品Aと商品C、商品Eはそれぞれ同じ構成比です。
それなのになぜか商品Cが目立っている・・・
顧客や上司からは「こんな分かりにくいもの作るな!」と言われ、
せっかくのプレゼンが水の泡・・・
そもそも、円グラフは構成比を面積として分かりやすく表示するためのもの。
3Dにして面積を変えてはいけません。
円グラフに限らず、グラフの3D加工はやらないほうが無難です。
都合の悪いデータは表示しない! はダメ!
とある商品の売り上げデータ。
2006年が大きく低迷しています。顧客や上司にはあまり見せたくないデータだとします。
この結果を2009年から表示させてみましょう。
データの推移をPRするため、矢印も付け足してみました。
このグラフを基にして、客観的な現状分析が可能なのでしょうか?
低迷期の存在を踏まえつつ、回復した要因分析を行うことが重要ですよね。
グラフは客観的な事実を、わかりやすく相手に伝えるためにあるものです。
相手を欺き、都合の良いデータだけ表示できることはグラフの怖いところです。
横軸で差を顕著に見せる! はダメ!
例えば競合他社との販売数比較。
どうやら自社の商品が一番です。
販売数の比較が分かりづらいからといって、以下のように横軸の幅をいじってしまいました。
あふれた競合D社は除外。
一見、自社が2位以下に大差をつけているように感じます。
しかし実数をみると、2,500個に対して最大でも220個しか差が開いていません。
場合によるかもしれませんが、グラフの見た目ほど大きな差ではないように思います。
少し設定をいじるだけでも、このように見た目の印象と実際の数値の印象が大きく乖離することがあります。
グラフを作るときは、見た人が誤解を招かないよう注意しなければなりません。
おわりに
さて、ここまで典型的なダメグラフを紹介してきました。
記載したようなグラフは、民間・官公庁問わず色々な場面で目にします。
数値データをグラフで表すことは、Excel等のツールを使用して誰でも簡単にできるようになりました。
一方、グラフの作り方や読み方は、きちんと勉強する機会が無かった人が多いのではないでしょうか。
グラフづくりを簡単に学べるWEBコンテンツとして、総務省が公開している「データサイエンススクール 統計力向上サイト」があります。
データサイエンスに長けた人も、あまり関心がない人も、
とても参考になるのでぜひ見てくださいね。
もちろん私もデータを扱うコンサルタントとして、グラフ作成やデータビジュアライゼーションの情報を今後リリースしていこうと思います。
この記事を書いた人
小林 寿名古屋事務所 企画課
専門統計調査士、MUDアドバイザー 主に市町村の社会調査・計画策定コンサルティングに従事 データビジュアライゼーションやオープンデータ利活用が得意分野