未来への警鐘!SDGsはきれいごとではない
こんにちは。ライターの一杉です。
あなたは、SDGsをきれいごとだと考えていないだろうか。
SDGsは発展途上国を助けるためのもので、自分の暮らしには関係ないと考えていないだろうか。
「その認識は間違っている!」と伝えたく、いつもとは違う論調でお伝えしたい。
なぜSDGsなのか
そもそも、なぜ国連はSDGsを進めることにしたのか。
なぜ、すべての加盟国がそれを支持したのか。
SDGsは「Transforming our world: the 2030 Agenda for Sustainable Development」、日本語では、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」と呼ばれるアジェンダの中核をなす目標のことだ。
アジェンダの内容については、またの機会に触れたい。関心のある方は外務省のホームページに日本語訳があるので参照されたい。
SDGsより前には、MDGs(Millennium Development Goals)と呼ばれるものがあった。
MDGsは発展途上国支援の内容が濃く、先進国の関心が高まらなかった。
一方で、SDGsは世界共通の言語として認知され、各国の取り組みも進展をみせている。
それはなぜか。
世界中の国々が連携しないと解決できない課題が見えてきたことはもちろんだが、各国の首脳が、現在のシステムでは地球がもたないという共通認識を持ったからに他ならない。
アジェンダの冒頭に「我々の世界を変革する」とある。
小手先の対応ではなく、社会を大きく変える変革が求められている、そのくらい地球は逼迫した状況にあるということだ。
何がそんなに逼迫しているのか
日本に暮らす我々の中には、その逼迫感を肌感覚としては感じない人が多いだろう。
だが、いつまでも今と同じ量の化石燃料は使えない、これは40代・50代の方も学校で習ったはずだ。
予想される未来では、地球の人口が100億人を超え、食料不足が深刻になる。
その前に水が不足するとも言われる。
水がなくなれば肉も野菜も生産できない。
飽食を謳歌する現代の日本人には、にわかに信じがたいかもしれないが、食料自給率が38%(令和元年度:農林水産省)しかない現実を踏まえれば、日本にも大きな影響があると考えたほうがよい。農林水産省ホームページより引用
地球温暖化の影響はどうか。
氷河の崩壊、海面上昇、異常気象といったニュースが頻繁に流れる。
日本では、ゲリラ豪雨、スーパー台風など、「これまでに経験したことのない」異常気象という言葉を何度耳にしたか。
地球の変化には、多くの人が気付き始めたはずだ。
この先に何が起きるか
食料不足、水不足、資源不足、地球温暖化等、見えている未来の危機に手を打たなければどうなるか。
貧困が飢餓を生み、暴動や略奪に発展する。
異常気象で作物は育たず、海面上昇で難民が増える。
自国優先の政策は、国と国との争いを誘発するだろう。
こうなれば、持続可能な開発どころか、大きな後退だ。
SDGsが採択された頃には誰も想定しなかった、新しいウイルスの脅威。
新型コロナウイルスの影響は、SDGsの進展にも及んでいる。
世界では順調に減少していた貧困世帯が増加に転じ、失業や食糧難も深刻だ。
日本では自殺者が増加傾向に転じた。
2030年に向けた17のゴールの達成は遠のいているのが現状だ。
あなたは、対岸の火事と捉えていないだろうか
日本を含む多くの先進国では、水は節約することなく使い、化石燃料を使い続け、温暖化ガスを排出し続ける暮らしが当たり前になっている。
貧困や飢餓に苦しむ人たちがいるのに、世界では毎日、食品の3分の1が捨てられている。
こうした暮らし方は、需要と供給の世界規模のアンバランスの上に成り立っており、既に地球の限界を超えた暮らし方だ。
今の暮らし方を続けられない日は、そう遠くない将来にやってくる。
持続可能な社会、それは我々の今の生活をそのまま持続させることを意味しない。
「我々の世界を変革する」、そう、変革が必要だ。
今までとは違う行動、違う考え方、違う消費、違う挑戦、SDGsが我々に求めていることは、そういうことだろう。
終わりに
2030年に向けた残りの10年は、「行動の10年」と言われている。
この10年の行動が、その後の地球の未来を決める、私もそう考えている一人である。
今回は、「SDGsはきれいごとではない」ことをお伝えした。
そのため、SDGsを推進するための具体策には触れていないが、新型コロナウイルスが、海外はあてにならないことを証明した。
域内で生産し域内で消費する、一つのヒントはここにあるだろう。
燃料としての水素やアンモニアの利用、バイオエコノミー、肉の代替となる大豆由来の食品など、SDGsを推進する様々な動きは顕在化している。
今後、想いを同じくする方々とたくさん出会い、話し合い、画期的なアイデアをここに掲載できるようにしたい。
この記事を書いた人
一杉 浩史
専門はまちづくり。自治基本条例や総合計画、地方創生総合戦略などの策定を支援。何足のわらじを履いているか自分でもわからない(笑)。