ため池診断をご存じでしょうか?

2023.09.05

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交通のおはなし

こんにちは。ライターの田中です。
今回は「ため池診断」について紹介します。

ため池とは・・

ため池は、主に農業用水として江戸時代以前から築造し利用されてきました。
しかし、昨今、稲作の作付面積の減少により農地が利用されなくなってきており、それに伴って、ため池も利用されなくなってきました。
また、利用者の減少と高齢化の進行により、管理が行き届かなくなってきました。

ため池は、年間降水量の少ない瀬戸内海式気候に属する瀬戸内沿岸地域に多く分布しています。
1位兵庫県(22,047箇所)、2位広島県(約18,155箇所)、3位香川県(約12,269箇所)

(出典:農林水産省HPより:ため池管理保全法に基づく都道府県別の対応状況について(令和5年3月末時点))

ため池決壊・・・平成30年7月豪雨(西日本豪雨)

平成30年7月7日夜、ため池が決壊し、あふれ出た土砂が付近の家屋を押しつぶし、女児が亡くなりました。
当時、ため池は数が多く、河川と違い常に監視する体制は取られていませんでした。
また、ため池は、地域の農家でつくる水利組合等が管理していましたが、管理者が明確に決められたものではありませんでした。
そもそも、住民の認識として、決壊するかもしれないということすら想像できていませんでした。

【平成30年7月豪雨】
平成30年7月豪雨(西日本豪雨)とは、平成30年6月28日0時~7月8日9時までの豪雨のことをいいます。
気象庁は「平成30年7月豪雨」と命名していますが、報道機関等によっては「西日本豪雨」と称しているところもあります。広い地域で2日間及び3日間の雨量が多いのが特徴で、西日本から東海地方にかけての地域を中心に48時間雨量・72時間雨量が多くの地域で観測史上最大を更新しました。

ため池の安全を確保する「ため池診断」!

国は、平成30年7月豪雨のため池決壊を教訓として、全国一斉にため池診断を実施することになりました。
ため池診断とは、ため池の安全性・機能性を評価するための調査・分析を行うことです。
ため池の堤体や放水路、護岸の構造・状態、水位変動に伴う地盤の安定性や浸食の程度などを調べて評価します。

実際の作業は、作業員2名が1組となって、ため池の施設(堤体・放水路・護岸等)を一つずつ目視にて確認していきます。
定点箇所での写真撮影を実施し、変状箇所があった場合は、測量棒を写真画角内に入れて撮影を行い、サイズを確認します。
危険防止の為、ため池内に入ることはありません。
どうしてもため池内からの撮影が必要な場合は、ドローンを使って撮影するようにしています。

おわりに

身近に潜んでいた危険が最近の豪雨により露わになった、ため池の危険性・・・。
みなさんの周りにも危険なため池があるかもしれません。
一度確認してみてはいかがでしょうか。

弊社では、ため池診断の他にも様々な土木インフラ点検業務のお手伝いをしています。
河川、道路構造物、砂防など、ご興味があれば「インフラ点検専用のWebページ」をぜひご覧ください。

 

この記事を書いた人

田中純二

河川点検士  平成30年7月豪雨の復興ボランティアに参加

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