“断層を見る!” 野島断層が保存されている北淡震災記念公園に行ってみた!
こんにちは、ライターの山村です。
今回は、先日、個人的に訪れた淡路島で、“断層を見る!”という体験をしてきましたのでリポートしたいと思います。
場所は「北淡震災記念公園」(兵庫県淡路市小倉177番地)。
こちらの「野島断層保存館」には、なんと、兵庫県南部地震で出現した野島断層がそのまま保存されています。
兵庫県南部地震は、平成7年1月17日に発生し、阪神・淡路大震災を引き起こした震度7の大地震です。
震源は、この野島断層付近でした。
なお、この断層は、文部科学省によって天然記念物に指定されています。
さて、断層が保存されている施設とは、どのような感じなのでしょうか?
さっそく見てみましょう!
震災当時のまま、断層が保存されている!
「野島断層保存館」には、断層により地表に段差ができた様子がそのまま保存されています。
上の写真は、断層を“上から見た様子”です。
施設では、下の写真のように、断層の断面を間近に見ることもできます。
このように地面が割れ、ズレが生じるという現象を目にすることは、通常はあまりないですよね。
でも、こうして実際の断層の断面を目の当たりにすると、地震のエネルギーの大きさに本当に驚かされます。
また、写真では少しわかりにくいですが、この断層の断面には“液状化の跡”も表示されていました。
被災当時の様子をそのまま残す“メモリアルハウス”
そして、もうひとつ驚いたのは、被災家屋がそのまま残され、“メモリアルハウス”として展示されていたことです。
上の写真(左)が、メモリアルハウスです。
「野島断層保存館」には、被災直後の写真が展示されていました。それが写真(右)です。
少し見にくいですが、写真(右)の奥に写っている家屋が、被災直後のメモリアルハウスです。塀の亀裂などが、ほぼそのまま保存されていることがわかりますね。
そして、まさにその塀の亀裂の下に断層が走っています。
本来は水平であった塀が、断層の出現により高さに差が生じ、亀裂が入ってしまった様子がわかります。
この、メモリアルハウスについて、施設のホームページでは、
活断層の真横でもほとんど壊れなかった家を「地震に強い家」として公開しました。家の塀や花壇の煉瓦がずれた様子、当時の台所も再現しています。
と、紹介しています。
こうして残されている点で、たしかに“地震に強い家”ですが、個人的には、地震に対する強さという側面よりも、“生々しい被災当時の様子”が伝わってくる展示だと感じました。
また、塀の手前の地表の様子が、被災直後と今日とで違って見えることがわかるでしょうか。
メモリアルハウスの塀の手前の地表は、今でも断層による高低差はあるもののその表面は滑らかで、比較的綺麗になっています。
写真(右)の様子とは少し違って見えますね。
なお、写真(右)の手前の断層(段差)が、先ほど見た「野島断層保存館」に保存・展示されている部分です。
こうして保存しておかないと、断層出現直後の生々しさは年月とともに風化し、目立たなくなってしまうということなのでしょう。
その意味でも、この施設の断層保存は、本当に貴重な資料であると感じました。
最後に
この施設の運営には、“震災の記憶を風化させてはいけない”という思いがあるものと考えられます。
生々しく保存されているからこそ、感じることができる情報がたくさんありますね。
施設見学という体験を通じて、多くの情報を感じ取り、一人ひとりの防災意識の向上につなげられたら良いのではないでしょうか。
今回のリポートでは、「野島断層保存館」と「メモリアルハウス」の様子のみ紹介しましたが、北淡震災記念公園には、セミナーハウス、物産館、レストランなど、観光客を楽しませてくれる施設がほかにもあります。
皆さんも一度、足を運んでみてはいかがでしょうか。
(参考)
「北淡震災記念公園」ホームページ
この記事を書いた人
山村 靖彦名古屋事務所
コラバド副編集長。専門は社会福祉。 主に、自治体の福祉関係調査や計画策定を支援している。 社会福祉士、専門社会調査士の資格を有する。