目指せ、介護職員スキルアップ! 〜介護保険におけるルールとは?〜
さて、介護のお仕事をしている皆さん。
介護に関するルールはたくさんあって、分かりにくいな?
どうやって調べたらいいのかな?
と悩んでいませんか?
今回は、介護に関するお仕事を始めてみたけれども、何だかちょっと難しい……と悩んでいる方に対して、少しでも手助けができたらいいなあといった気持ちでお届けします。
そのため、今回のコラムでは介護――介護保険に関する知識・情報GETのノウハウをお伝えします!
介護保険って名前は聞くけどなあ~、実際に働いているときはそんなに意識しないしなあ?
という方向けなので、「すでにそんなことは知っているよ!」という方には申し訳ないです……。
ご容赦ください。
〜介護保険におけるルール~
介護保険制度では、介護保険法をはじめ、「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」、様々な法令や通知などに基づいてサービスを提供しています。
おそらく、突然「介護保険法」だの、「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」だの、言われても分からないかと思います。
正直な話、私も介護保険に初めて携わったときは、何を言っているのかさっぱり分かりませんでした。
ここで、ちょっとだけ、脇にそれて“法令”のお話になります。
法令と法律って何が違うんだろう?と思われた方。
法令とは、『法律』だけではなく、『施行令、省令、施行規則など』を含めた呼び方のことです。
法、施行令、省令、施行規則……。
聞き慣れないなあ、と思われるかもしれません。
法律が大きなルール、施行令・省令・施行規則は細かなルールだと思ってください。
<例>
サッカーに例えてみましょう。
サッカーでは、ゴールキーパー以外はボールを手で触ることができません。
しかし、ボールが手に触れたかどうか怪しいときはどうしましょう?
具体的に、こういう条件のときは手が触れたことにする等の細かな要件をつける必要があります。
この場合、「ゴールキーパー以外はボールを手で触ってはいけない」と決めているものが法律。
具体的に、どのような状況だと触れていることになる等の細かな要件を足しているものが、施行令・省令・施行規則となります。
法で大きな枠組みの約束事を決めて、細かい内容や具体的なことは施行令、省令、施行規則、通知等で決めている、と考えてもらえると分かりやすいです。
サッカーの場合は、細かいルールが分からなくてもできますが、介護サービスを提供する場合、人の命に係わることもあり得ます。
また、介護保険におけるルールは改正が行われることもあるので、覚えたらそれで終わり、というわけでもありません。
~介護保険におけるルールの調べ方〜
じゃあ、どうやって『ルール』を調べたらいいのでしょうか?
管轄の保険者を通して、行政からの通知が届いていませんか?
『介護保険最新情報』と記載されている文書を見たことはありませんか?
ちなみに、保険者というのは介護保険を運営している組織を指しています。
介護保険被保険者証の発行元が『保険者』、介護保険被保険者証の持ち主は『【被】保険者』です。
勤務時間中は介護に従事しているから、パソコンには触れない!
または、パソコンは事務担当や管理者の方しか使わないから連絡内容を確認できない……。
恐らく、上記のような理由から中々『ルール』について知ることが難しい現実もあるのではないかと思います。
そこで役立つのが、『WAM NET(独立行政法人 福祉医療機構 運営)』です。
知っているよ! 使いこなしているよ! という方には、このコラムは不要だと思われるので、読み飛ばしてください。
さて、では『WAM NET』を初めて知ったという方へ。
『WAM NET』とは福祉分野に関して、行政が出している情報や制度、取り組み等を掲載してくれている情報提供サイトです。
特に、介護に携わっている方にお勧めしたいのが、下記のコンテンツです。
①介護 > 行政情報(介護) > 介護全般 > 「介護保険最新情報」
および
①については、「介護保険最新情報」をキーワードで絞り込みながら内容を確認することができます。
例えば、今回のコロナ関連での通知をまとめて調べたいときは、キーワード欄に『コロナ』と打って検索すれば、『コロナ』に関する通知が絞り込めます。
②については、介護サービスに関する質問と回答を確認することができます。
例えば、デイサービスの送迎について調べたいことがあると思ったら、キーワード欄に『送迎』と打って検索すれば、サービス種別、基準種別ごとにQ&Aが絞り込めます。
〜調べものの落とし穴〜
ここで一点、注意して欲しいことがあります。
介護保険における介護サービスは、国の制度に基づき、厚生労働省が示す指針等に沿って提供されています。
それを基にして、各保険者は介護保険の運営を行っていますが、『保険者が異なる場合、全てが同一の判断』を行うものとは限りません。
詳細な部分については、保険者が判断する場合があります。
つまり、何をお伝えしたいかというと【一次情報】を大切にしてくださいということです。
一次情報とは、発信元から直接手に入れた情報のことです。
具体的に言うと、国からの通知なら国、保険者からの通知なら保険者から情報を入手するということです。
※『WAM NET』においては国の通知文書や会議資料をそのまま掲載しているので、二次情報にはあたりません。
インターネットの検索サイトや介護従事者向けの情報交換サイトにおける情報は、正しいとは限らないことを、念頭に置かれたうえで利用することをお勧めします。
「ネット上で意見交換をした結果、同種別のサービス事業所ではAという判断だったから、うちでもAという判断だろう。」
ここには落とし穴があります。
国の指針に基づいた基礎的な部分であれば相違が起きることも少ないのですが、保険者判断の場合、同じ判断になるとは限りません。
こういった場合は、根拠となる部分がどこからの引用なのか?
また、それは基礎的なことなのか?
それとも、個別にケースを考えなければならないものなのか?
上記の点を考えながら、利用してもらえれば幸いです。
慣れないうちは難しいかもしれないので、「これは本当に正しいのかなあ? そもそもの条件は今調べている私の状況と一緒なのかなあ?」といったことを心がけてもらえると嬉しいです。
〜まとめ〜
長々と綴りましたが、まとめます!
・一次情報を入手しましょう
・調べものには、【WAM NET】を利用しましょう
・情報交換サイトの利用には注意しましょう
以上が、今回のコラムでお伝えしたいことでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事を書いた人
Ayaka Tashi
駆け出し調査員。 誰かの手助けになるようなコラム執筆を志します。