これでまるわかり! 高齢者向け施設・住宅の違い

2021.06.28

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福祉のおはなし

こんにちは、ライターの田志です。
今回は、高齢者向けの施設・住居についてご説明します。 

有料老人ホームの詳細につきましては、前回の記事『失敗しない!〜有料老人ホームを探す前に知っておきたいこと~』をご参照ください。

高齢者向けの施設・住居の難解さ

前回の記事でも軽く触れましたが、高齢者向けの施設・住居には様々なものがあります。
そして、内容等が重複する部分も多いため、その違いを正確に把握することが難しい状態です。
今回はその違いについて、少しでも分かりやすくなるよう説明します。

高齢者向け施設・住居の種類

高齢者向けの施設・住居の種類としては、大まかに分けて計6種類。
正確に分類すると計10種類あります。

1①認知症高齢者グループホーム
2②特別養護老人ホーム
3有料老人ホーム
③介護付き有料老人ホーム
④住宅型有料老人ホーム
⑤健康型有料老人ホーム
4⑥サービス付き高齢者向け住宅
5軽費老人ホーム
⑦A型
⑧B型
⑨ケアハウス
6⑩養護老人ホーム

認知症高齢者グループホーム

<概要>
5~9人の少人数でそれぞれが出来る範囲で家事を行いながら、家庭的な生活を共同で送る施設になります。
出来る範囲のことは職員の支援を受けながら自身で行うことで、認知症の進行を遅らせて自立した生活が送れるよう目指します。

<介護保険法上の位置づけ>
介護保険法上の名称は、『認知症対応型共同生活介護』もしくは『介護予防認知症対応型共同生活介護』です。
介護保険の認定が要介護1~5の方は『認知症対応型共同生活介護』を利用、要支援1~2の方は『介護予防認知症対応型共同生活介護』を利用します。

特別養護老人ホーム

<概要>
入浴・排せつ・食事などの日常生活の介護、機能訓練、健康管理、療養上の世話などのサービスを受けることのできる施設になります。
入所の対象者は、原則65歳以上で身体上または精神上に著しい障がいがあるために常時の介護が必要であり、なおかつ居宅において介護を受けることが困難な方です。

 <介護保険法上の位置づけ>
介護保険法上の名称は『介護老人福祉施設』もしくは『地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護』です。
施設の定員が「30名以上」の場合は『介護老人福祉施設』、定員が「29名以下」の場合が『地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護』です。

有料老人ホーム

有料老人ホームは、介護保険法上に位置づけられたものではなく、『住居』としての側面が強いものとなり、基本的には、介護保険サービスは利用できません。
『(介護予防)特定施設入居者生活介護』の指定を受けた「介護付き有料老人ホーム」のみ、介護保険サービスを利用することができます。
有料老人ホームには下記の3種類のものがあります。
詳しくは、前回の記事をご覧ください。

・介護付き有料老人ホーム
『(介護予防)特定施設入居者生活介護』の指定を受けた有料老人ホーム。介護保険サービスの提供を行うことができる。

・住宅型有料老人ホーム
生活支援等を介護保険外サービスとして提供する有料老人ホーム。

・健康型有料老人ホーム
食事等のサービスを介護保険外サービスとして提供する有料老人ホーム。介護が必要な状態になると退去する必要がある。

サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅は、原則60歳以上の高齢者に対して、安否確認等の状況把握サービス・生活相談サービスを提供する住居です。食事の提供や家事等のサービスは任意での提供となります。
サービス付き高齢者向け住宅も、介護保険法上に位置づけられたものではなく、『住居』としての側面が強いものとのなります。
基本的には、介護保険サービスを利用することはできません。
『(介護予防)特定施設入居者生活介護』の指定を受けた「サービス付き高齢者向け住宅」のみ、介護保険サービスを利用することができます。

 <有料老人ホームとの違い>
有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅の違いが分かりにくい場合がありますが、その理由の多くは提供するサービスが重複していることにあります。
サービス付き高齢者向け住宅の場合は、「状況把握サービス(入居者の心身の状況を把握し、その状況に応じた一時的な便宜を供与するサービス)」を必ず行わなければならないとされており、その点は有料老人ホームとの大きな違いといえます。しかし、有料老人ホームが任意で状況把握サービスを提供することもあるので、実態としては両者の違いが見えづらい場合も少なくありません。

軽費老人ホーム

軽費老人ホームは60歳以上の方で、経済的な理由から入居の必要のある方が利用できる住居です。
「有料老人ホーム」と違い、A型、B型、ケアハウスの3種類それぞれ、入居にあたっての条件があります。
提供されるサービスとして、入浴の準備、相談および援助、社会生活上・その他日常生活上、必要な便宜を図ってもらうことができます。
ただし、A型、B型、ケアハウスにおいて提供するサービスに若干の違いがあります。

また、軽費老人ホームも介護保険法上に位置づけられたものではなく、『住居』としての側面が強いものとなります。
基本的には、介護保険サービスは利用できません。
『(介護予防)特定施設入居者生活介護』としての指定を受けた「軽費老人ホーム」のみ、介護保険サービスを利用することができます。

・A型
入居対象:家族による援助を受けることが困難であり、高齢等のため独立して生活するには不安が認められる者。
入居にあたって、所得等の要件を設けている施設もある。

・B型
入居対象:A型の要件に加えて、自炊が可能な者。

・ケアハウス
入居対象:身体機能の低下等により自立した日常生活を営むことに不安があると認められ、家族による援助を受けることが困難な高齢者。

養護老人ホーム

養護老人ホームは、入居にあたって、下記の条件を満たす必要があります。
65歳以上の高齢者で、環境上の理由及び経済的理由によって、居宅において養護を受けることが困難である者であること。

養護老人ホームも、介護保険法上に位置づけられたものではなく、『住居』としての側面が強いものとなります。
基本的には、介護保険サービスは利用できません。
『(介護予防)特定施設入居者生活介護』の指定を受けた「養護老人ホーム」のみ、介護保険サービスを利用することができます。

まとめ

上記の表のとおり、高齢者に関する施設・住居は多数あります。

・それぞれが重なる部分を持っていること
・切り口によっては分類が変わること
・利用者からすると違いが分かりづらいこと

要介護・要支援認定を受けている方は、ぜひ担当のケアマネジャーに相談してみてください。
少しでも、施設・住居を探している方の一助となれば幸いです。

 

この記事を書いた人

Ayaka Tashi

駆け出し調査員。 誰かの手助けになるようなコラム執筆を志します。

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