初めて介護保険事業計画を見て、混乱したこと

2023.02.08

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政策のおはなし

こんにちは、ライターの田原です。
いつもアンケートのことばかり書いていますが、今回は介護保険事業計画のことについて書いてみたいと思います。

令和6年度から第9期介護保険事業計画が始まります。
ということは、令和5年度は3年に一回の介護保険事業計画の改定の年度となります。
僕もこの業界に長くおりまして、何回も介護保険事業計画の策定に携わってきたなと少し感慨深くなっております。
介護保険事業計画とは何かについては、本メディアの山村が書いた記事等があるので、詳細は割愛しますが、今回は、僕が初めて介護保険事業系計画を見たときに混乱したことを書いてみたいと思います。
初めて介護保険事業計画を見る人や同業の初めて策定に携わる人の一助になれれば幸いです。

なんとなく知っているワードが出てこない

・デイサービス
・特別養護老人ホーム
・グループホーム

この3つは介護に携わったことが無い人でも知っていることが多いワードではないでしょうか。
僕も実際、この3つの言葉はなんとなく知っていました。

しかし、介護保険事業計画を見ても、この3つのワードは出てきません(厳密にはわかりやすくするために記載しているところもあります)。

更に、自治体のクライアントと打ち合わせをしていると、この3つの単語はたくさん出てきます。
上司と一緒に打ち合わせに行ってとても混乱したことを今でも覚えています。

計画にはどう記載されているのか

これは、一般的に言われているワードと介護保険事業計画に記載されている単語が、同じ意味でも違う表記となっていることが要因です。
介護保険事業計画は法律に基づいて策定されるので、法律で規定されている表記で計画書には記載されているようです。

では、先ほどの3つは介護保険事業計画ではどのように記載されているのでしょうか。

①デイサービス

なるほど、カタカナのワードだから、実際は日本の法律だし漢字で表記されているのかも、日中支援とかかな?と安直に考えるのは早計です。

正解は「通所介護」です。

一切「デイ」も「サービス」も入っていません。

②特別養護老人ホーム

たぶん一番知られている介護保険のサービスだと思いますが、こちらも安直に漢字に変換というわけにはいきません。

正解は「介護老人福祉施設」です。

「老人」というワード以外一切入っていません。
でも、さっきのデイサービスよりも、同じ単語が含まれているだけわかりやすいかもしれませんが、個人的には当時「介護老人福祉施設=特別養護老人ホーム」というイメージは全くわきませんでした。
今は慣れたので違和感はないですが、当時は違和感しかなかったです。

③グループホーム

もうさっきの2つで安直に漢字に変換することはなかったので、これもなんか初見ではわからない感じになっているのではないかと思うかもしれませんが、これはかなりカタカナをになっています。

正解は「認知症対応型共同生活介護」です。

共同生活がグループホームと連想しやすいのではないかと個人的には思っています。
とは言っても、これも初見ではなかなかわかりにくいと思います。

正直、この3つは初見では何のことを言っているのかさっぱりでした。
介護保険事業計画書に書いている先ほど紹介した単語は、なんか漢字ばっかりでとっつきにくい気がするので、もう少しわかりやすい感じにしてほしいなと個人的には思います。

この3つをわかっていれば計画を理解できる??

この3つをわかっていても、おそらく初見では全くわかりません。
専門的な用語が多すぎて、全くわかりません。
何も知らない人向けという感じで書かれていないので、仕方ないかもしれませんが、介護保険制度についての知識が無いと、置いて行かれる感が満載です。
あくまでも個人的な感想ですが・・・

じゃあ一般の人は読んでも意味ないのか??

自分が住んでいる自治体の介護保険事業がどうなっているのかを知っておくことは重要だと思います。
自治体側も難しいとわかっているので、一般の人がわかりやすいように概要版というものを作っているところも多くあります。
本編を初めて読むと挫折する可能性が高いので、個人的には概要版から読んでみることをお勧めします。

あとは、介護保険制度について勉強してみるというのも一つです。
介護保険制度について勉強するのであれば、以下の書籍がおすすめです。
とても分かりやすいですよ。

世界一わかりやすい介護保険のきほんとしくみ2021-2024年版

 

この記事を書いた人

田原 歩

最強の男

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