出店に関する調査の定番「店前通行量調査」とは?

2019.10.15

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交通のおはなし

図1 西日暮里駅前店舗

こんにちは。ライターの泰良です。

今回は「店前通行量」について説明します。
これは、カウント調査をすることで把握ができる情報で、売上予測に使われることもあります。

出店責任者、店舗開発担当者、店主・店長など、店舗の出店や店舗経営に携わる方は必見です。

店前通行量調査とは

「店前通行量」とは、「店の前を通行する歩行者の人数」です。(※場合によって自転車を含みます。)

店前通行量が多ければ多いほど、ふらっと店に立ち寄る人も増え、結果的に売上が増える可能性があります。

図2 店前通行量調査イメージ

説明の便宜上「店前」という言葉を使用していますが、これはまだ店を出すかどうかを検討している「出店候補地の前」という意味も含むものと、ここではお考えください。

店舗と言っても様々で、具体的には以下のような例が挙げられます。

飲食店・チェーン店

ファミリーレストラン、カフェ、ベーカリー、ファストフード、居酒屋など。

流通・小売業

コンビニエンスストア、ドラッグストア、スーパーマーケットなど。

不動産

商業施設・ショッピングモール(不動産会社、ディベロッパー)、テナントを誘致したい商業ビルオーナーなど。

ファッション・アパレル

服・靴・装飾品(ブランド品、ファストファッション)といったアパレル系路面店など。

商店街

商店街をシティプロモーションに生かしたい地方自治体、商店街振興組合など。(単一店舗ではありませんが、大きなくくりに含めることができると思います。)

候補地に実際に出店するか否かは、金額的にも大きな決断です。
出店前に調査を実施して検討した方が、失敗して費用がかさむリスクを抑えられる可能性もあります。

性別や年代も把握する(属性調査)

店前通行量調査では、単に人数だけでなく、同時に属性も把握できます。

属性とは、主に性別(男女)や年代などのことです。
男性と女性ではどちらが多いのか、若年者と高齢者ではどちらが多いのか、などを把握し、品ぞろえやプロモーション方法を工夫することに役立てます。

性別、年代以外の属性の例として、

単独かグループか、単身かファミリーか、ビジネス(スーツや作業服等の仕事着)かプライベート(私服)か、日本人か外国人か、なども考えられます。

図3 様々な属性

あくまでも目視可能な特徴がある場合に限った調査となりますが、ターゲットとしている客層がどの程度自店舗の前を通行しているのかを把握することは重要です。

アレもコレも分類したいと思い、

たとえば、男女別(2分類)×年代別(5分類)×歩行者・自転車(2分類)を分けようとすると、1方向につき20分類しなければならないことになり、カウントが大変であることが容易に想像できると思います。

そして、属性の分類が増えるほど、実際に調査をしても、集計した結果0人(ごく少人数)になる属性が表れやすくなります。(「0人だった」という結果が重要な場合も、もちろんあります。)

調査を企画する段階で分析のポイントを十分に検討し、調査を実施することが重要です。
弊社にご相談いただければ、調査の企画・立案からご提案させていただきます。

図4 属性調査集計の例

調査結果を活用するために(分析事例)

調査結果を活用するためには、分析をすることがとても重要です。
分析というと統計的な難しい手法を連想するかもしれませんが、あえて簡単な表現をすると「比較する」ということです。

比較する対象は、既にご紹介した性別や年代などの「属性」だけでなく、

「場所」、「方向」、「時間(朝昼夜)」、「平日と休日(曜日)」、
「通常時とイベント時」、「天候(晴と雨)」、「季節(寒暖)」、
「経年(毎年同じ時期)」なども考えられます。

とてもシンプルな事例として、ここでは平日と休日を比較する方法をご紹介します。

以下のように調査結果をグラフ化して、平日と休日で並べてみます。(ある商業エリアの実際の通行量データを、秘匿のため一部加工して作成しています。)

図5 平休比較

この例から言えることは、

・平日より休日の方が、約1.3倍通行量が多い
・平日は18時頃に人が多く、休日は14時前後に人が多くなる
・平日は男女ともに「40歳~59歳」が多く、休日は男女とも「20~39歳」が多い

などです。

数字の羅列からでは見えにくい違いを、表やグラフなどで可視化することによって、見た目による比較がしやすくなります。
これは一例に過ぎませんが、成果品についてはご依頼の際にご相談ください。

おわりに

今回は歩行者の人数をカウントする「店前通行量調査」をご紹介しましたが、

車での移動が多い地方や郊外店では、歩行者ではなく自動車の台数をカウントする交通量調査を行うこともあります。

「こんな調査はできますか?」といったご相談も、お気軽にご連絡いただければ幸いです。

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この記事を書いた人

泰良 和広

都市・交通系の部署に所属。専門統計調査士。データビジュアライゼーションに興味がある。

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