コロナ禍の旅行の変化を視覚化してみた
こんにちは、ライターの池田です。
新型コロナウイルスの国内での感染拡大から1年が経過しようとしています。
この1年で私たちの生活は、働き方や休みの過ごし方などを含め大きく変わりました。
特に人の移動の制限により、海外への出張に行けなくなった、遠方の地元に帰省できなくなったという方は多いと思います。
今回は日本国内の旅行について2019年と2020年のデータを視覚化し、新型コロナウイルスの流行前後で国内旅行がどのように変化したのかをみていきたいと思います。
データと使用ツール
データ:「旅行・観光消費動向調査(観光庁)」
日本国内居住者を対象とした旅行の消費額や目的地などを尋ねる調査です。
調査は四半期ごとに実施しています。今回は2019年および2020年の7-9月期分のデータを使用します。
使用ツール:「Tableau Public」
Tableau Software社が提供しているBI(ビジネスインテリジェンス)ツールです。
今回は無料版のTableau Public を使用します。
目的地別旅行者数
こちらは都道府県の目的地別旅行者数を地図に表示した図です。
円の色と大きさで旅行者数(※1)の大小を表しています。
2019年と2020年を比較すると、関東・近畿・九州を中心に減少がわかりやすくなっており、特に東京・神奈川・千葉の減少が目立ちます。
東北や四国といった地方も旅行者数が減少していることがわかります。
※1 旅行者数は、全目的別(観光レクリエーション、帰省・知人訪問、業務・出張)の宿泊・日帰り旅行者数の合計。
利用した交通機関
下記は旅行者数全体における最長交通機関(旅行の中で最も長い距離を移動した交通機関)利用別のツリーマップです。
ツリーマップとは、左上から割合や数量が多い順番に項目が表示されるチャートで、構成比の把握において優れています。
2019年では鉄道・バスの利用者数は約35%を占めていますが、2020年では20%以下に低下しています。また航空機需要の減少も一目でわかります。
2020年では、自家用車の割合が高いことも特徴です。
航空と鉄道の旅客の増減については、航空輸送統計調査(※2)および鉄道輸送統計調査(※3)で詳細を把握することができます。
※2,3 国土交通省が実施している航空と鉄道における旅客輸送・貨物輸送などの実態を把握する統計調査。
宿泊数別旅行者数
こちらは宿泊数別の旅行者数のグラフです。2020年は旅行者数全体が大幅に減少しているのがよくわかり、特に2泊以上の旅行者数の減少幅が大きくなっています。
Go to トラベルキャンペーン実施中かつお盆の旅行シーズンではありますが、2020年は2泊以上の旅行を控える傾向があったことがわかります。
まとめ
日本全体に大きな打撃を与えている新型コロナウイルスですが、国内旅行にも深刻な影響を与えていることがデータの視覚化によってわかりやすく捉えることができました。
外出自粛により長期の旅行は減少傾向にあるので、今後は日帰りや近場への旅行の需要が増加していくかもしれません。
2021年は国内でのワクチン接種が始まりましたが、一日も早く以前の暮らしに近い日々が戻ってくることを願うばかりです。
(参考資料)
『旅行・観光消費動向調査』(国土交通省観光庁)
この記事を書いた人
池田翔太郎
中学・高校の教員免許(英語)を保有している。静岡県出身。