得られたデータ、「使えなかった?」「使わなかった?」

2022.11.26

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統計のおはなし

こんにちは、ライターの田原です。
最近、おかげさまで色々なところで研修講師等を引き受けるのですが、データ分析よりも調査票の設計の需要が多いのではないかと感じております。
データ分析については、ある一定程度のメソッドはあるのですが、調査票の設計については、やり方についてわかりやすいメソッドがあるわけではありません。
もちろん知らなければならないこと、知っておいた方が良いことはあるのですが、自分の知りたいことをどのようにアンケート調査として言語化していくのかという点について、こうすればうまくできるといった方法は僕が知る限りはありません。
調査票の設計の方法については、かなり漠然としますが以前書いた「調査の大前提! 良い調査設計と悪い調査設計とは」や「あれもこれも聞いてみたい!アンケート調査における「必要なものだけを聞く」コツ」にある程度集約されていると考えており、やはり経験値や職人技的な側面も大きいと思います。
今回は、方法というよりも知っておくと少しだけ調査票の設計がうまくできるようになる考え方をご紹介します。

得られたデータをすべて使うの??

アンケート調査を実施して得られたデータをすべて使ってデータ分析を行ったり、施策の検討に使ったりするのかと問われれば、答えは以下のようになります。

「すべて使いたいが、すべて使えるわけではない」

なんかトンチみたいな問答に見えるかもしれませんが、ここで僕が重要だと考えていることは、データが「使えなかった」のか、それとも「使わなかった」のかという視点です。

データが「使えなかった」

せっかく得られたデータが「使えなかった」

これは、実際よくあるケースです。

使い方を想定して調査票を設計したけれど、想定していた結果と大きく違っていた、事前にわかっていたことと同じなので、特段コメントすることもない・・・
みたいなケースです。

これは、使おうと思っていたけれど、自身の明らかにしたい問に対する解としては使えなかったというようなケースですね。

この質問は有効な質問だったといえます。

データを「使わなかった」

得られたデータを「使わなかった」

これは、絶対に避けたいケースです。

なんとなく調査項目に入れてみたけど、実際に使わないといった言語道断なケースもあります。
厳密には使おうとしているのですが、「使い方がわからなかった」という意味合いのケースもあります。
僕の感覚的には後者の方が多いかなという印象です。

実際に、とりあえず聞いてみたけど、使い方がわからないので使わなかったということは、かなり多くあります。

おわりに

この違いが生じる一番の要因は、使い方を想定して質問を作成しているかどうかという点です。
あれも聞いてみたい、これも聞いてみたいという思いは同感できますが、その先の使い方まで考えることが必要です。
使い方を想定していれば、「使わなかった」質問が生じることはありません。
アンケート調査は対象者の時間をいただいて、労力を割いて回答してもらいます。
「使わない」質問をアンケート調査に入れるのは、そろそろやめませんか。

 

この記事を書いた人

田原 歩

最強の男

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