大地震はどのくらいの頻度で起こっている? 最近国内で起きた地震について調べてみた!

こんにちは。ライターの伊藤です。
実に3年ぶりの投稿になります。よろしくお願いいたします。

みなさんもご存じの通り、我が国は地震大国です。
気象庁の発表によると、世界で起きている地震の約1割が日本周辺で起きているとされています。

今年も、2月13日と3月20日の2度にわたって、東北で大きな地震が発生しました。
2月の地震では最大震度6強を観測し震源地から離れた首都圏でも停電が起こったほか、3月の地震では津波注意報が発令されるなど、改めて大地震の恐ろしさを感じることとなりました。

そんななか、3月に、政府の地震調査研究推進本部地震調査委員会が2020年から30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を示した「全国地震動予測地図2020」を公開しました。(全国地震動予測地図2020年版  )

そのうちの「確率論的地震動予測地図」は、現時点で考慮し得るすべての地震の位置・規模・確率に基づき、各地点がどの程度の確率でどの程度揺れるのかをまとめて計算し、その分布を示したものです。

その結果、北海道南東部や仙台平野の一部、首都圏、東海~四国地域の太平洋側及び糸魚川-静岡構造線断層帯の周辺地域などにおいて、「今後30年間のうちに、震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」が「26%以上」と示されています。

今回は、その大地震といわれるものが一体どのくらいの頻度で起きているのかについて調べてみました。
日頃の大地震に対する備えにつながれば、幸いです。

私のまちで最近大地震が起きたのはいつ?

では、実際にこうした大地震は一体どのくらいの頻度で起きているのでしょうか。
今回は、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が発生した2011年以降に絞って、国内で起きた震度5弱以上の地震について、まとめてみました。
データの出典元は以下のとおりです。

(出典)
住所検索ハザードマップ
tenki.jp『過去の地震情報』

2011年から2020年までの10年間に、我が国では最大震度5弱以上の地震が179回観測されています。
(大地震に伴って発生する余震についても1回としてカウントしています。)

中でも、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が発生した2011年には62回、平成28年熊本地震が発生した2016年には33回観測されています。
これらの地震がいかに規模の大きいものであったかがうかがえる結果です。

この2年間を除く8年間で見ても、年平均10.5回、全国で震度5弱以上の地震が観測されたことになります。
下の図は、2011年以降に起きた全ての地震(震度1以上)を調べ、その都道府県内で記録した最大震度ごとに色付けしたものです。

2011年以降の10年余りの間に、震度5弱以上の地震が一度も観測されていないのは、富山県、愛知県、岐阜県、三重県のたった4県だけです。
ほかの43都道府県は、少なくとも1回以上、震度5弱以上の揺れが観測されています。

2010年代には、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)、平成28年熊本地震、北海道胆振東部地震と、最大震度7を観測する地震が3回も起こったことが、このように多くの地域で大きな揺れを観測している理由の1つと考えられます。

この規模の大地震がこれほどの短いスパンで頻発したことは、日本の歴史上そう多くありません。

2011年以降に震度7の揺れが観測されたのは、上記の地震が発生した北海道、宮城県、熊本県の3か所でした。
これに、新潟県と兵庫県を加えた5道県が、これまでに震度7の揺れが観測されたことのある都道府県です。

2021年8月1日時点で、直近で震度5弱以上の揺れが観測されたのがいつかに応じて色分けした結果が下の図になります。

実に28都道府県において、2017年以降の直近5年以内に震度5弱以上の揺れが観測されています。
特に、北海道・東北・関東地方はほとんどが2019年以降を表す濃い紫色に染まっています。
一方で、東海地方は直近ではあまり大きい地震は起きていないようです。

ちなみに、47都道府県で唯一色が塗られていない岐阜県では、現行の震度階級が適用される前の1969年を最後に50年以上も震度5弱以上の揺れが観測されていません。
しかし、濃尾地震(1891年)などの、大きな被害が発生した地震の記録も残っていますから、油断しないで絶えず防災意識を持っておくことが重要になりますね。

大地震はいつ起きてもおかしくない!からこそすべきこと

いかがでしたでしょうか。
今この記事を読まれているみなさんが想像している以上に、高い頻度で大地震が起こっていると感じられたのではないでしょうか。

しかし、これらのデータはみなさんに恐怖心を抱かせるためのものではありません。
今さら声を大にして言うことではないですが、大地震はいつどこで起こってもおかしくありません。
ですから、いつ大地震が起こってもおかしくないよう、日頃から万全の対策を講じておくことが重要です。

・家から指定の避難場所までの経路を把握しておく
・避難生活を送るうえで必要な備蓄・資機材を用意しておく
・防災訓練に参加する

私たちにできること・すべきことはさまざまです。
また、みなさんがお住まいの市区町村では、「地域防災計画」や「ハザードマップ」などを策定し、災害に対する備えを図っています。
これらの多くは市区町村のホームページに公開されていますので、興味がおありの方は、こちらもチェックしてみてください。

この記事を通して、みなさんが災害(対策)に関心を持つとともに、防災意識が少しでも高まることにつながれば幸いです。

 

 

この記事を書いた人

伊藤 拓哉 

静岡県出身。主に世論調査業務と行政計画策定支援業務を通した行政のお手伝いをしています。 趣味はウィキペディアを見ることと北米プロスポーツの情報をチェックすること。

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