皆さんはご存じですか?~人口ビジョン2100~

2024.04.15

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政策のおはなし

こんにちは。ライターの一杉です。
しばらくSDGs関連の記事ばかり執筆してきましたので、今回は人口に焦点をあててみました。とはいえ、SDGsとも関連が出てきます。

人口ビジョン2100とは

皆さんは、「人口ビジョン2100」をご存知でしょうか。
経済界の代表者や有識者らでつくる「人口戦略会議」が、2024年1月9日に政府へ提言したものです。
2100年ですから、今から76年後の日本の人口を展望したもので、8000万人で安定化させることを目標とする提言となっています。
厚生労働省の人口動態統計によると、令和4年の出生数は77万747人、令和5年は75万8,631人(速報値)で、80万人を切っています。仮に、0歳から99歳まで、すべての年齢層が80万人いれば、合計は8,000万人になります。
現状は、8,000万人を維持できないスピードで少子化が進行しており、このままでは2100年を待たずして、8,000万人を切る未来が想定されます。
そのため、国の政策も、民間の取り組みも、国民の意識も、現状維持ではダメで、政策や意識の転換が必要だと読み取れます。

出典:人口ビジョン2100(人口戦略会議)

なぜ2100年を展望したのか?

5年後、10年後の未来を展望したものは良くみかけますね。それでも、世の中の変化のスピードが速いことから、5年後だって見通せない、という声も良く聞かれます。

こうした中で、なぜ76年も先の未来を展望したのでしょうか。

勘の良い方はお分かりかもしれませんが、ここでSDGsです。

SDGsに必要な考え方の一つに、バックキャスティングの考え方があります。未来のありたい姿を描き、その姿になるためには何をしたら良いか、目標から遡って考える方法です。
SDGsの17のゴールは、どれもすぐに達成できるものではありません。例えばゴールの1は「貧困をなくそう」です。2030年をゴールに設定していて、その前段階では、貧困の方を段階的に減らす目標が立てられています。そのためにあれをやろう、これをやろうと、各国で様々な取り組みが進められています。

「人口ビジョン2100」は、2100年の社会像を描いたものではありません。しかし、我々の子孫に、この日本という国をどういう形で残すのか、こうありたいという姿をできるだけ細分化した「社会像としての長期的なビジョン」の必要性をとても強く感じます。
そのビジョンがあれば、20年後にはどういう状態が望ましいのか、10年後にはどういう状態が望ましいのか、そのために今から取り組めることは何か、バックキャスティングの考え方で短期的な目標や施策や事業を考えることができます。また、目標に向かって進んでいる実感を得ることもできます。

目の前の社会状況を改善することに終始している、生活が良くなった実感がわかない、明るい未来に向かって進んでいると思えない、長期的なビジョンがあれば、こうした声が減少し、国民が一体となった国づくりができると考えます。
だからこそ、近未来ではなく、中長期的な未来である2100年を描いた、私はそう捉えています。そして人口戦略だけでなく、「社会像としての長期的なビジョン」を、国で描いてほしい、私はそういう意図が含まれていると読み取りました。

自治体にも人口ビジョンがある

国が策定している人口関係ビジョンの最新版は、「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン(令和元年改訂版)」になります。そのための取り組みは、「第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」(2020改訂版)」としてまとめられています。
その取り組みは、「デジタル⽥園都市国家構想総合戦略(2023改訂版)」として引き継がれ、2027年度を目指した、短期的な戦略となっています。
自治体は、まち・ひと・しごと創生法に基づき、人口ビジョンや総合戦略を策定してきました。令和5年度以降、「デジタル⽥園都市国家構想」を踏まえた、新たなプランの策定が求められています。
皆さんがお住まいの自治体でも、2045年や2060年を見据えた人口ビジョンが策定されていると思います。人口だけでなく、自治体でも「社会像としての長期的なビジョン」が描けると良いですね。

終わりに

冒頭、「人口に焦点をあててみました」と書きましたが、途中、SDGsの話になってしまいました。それだけ、SDGsが体に染みついてきたということ、だと勝手に解釈しています。

私どもでは、自治体の皆さんが策定する人口ビジョン、総合戦略、総合計画の策定実績も豊富です。グランドデザインと題して、自治体の長期ビジョンを描いた経験もあります。関心を持っていただけた方は、下記よりお問い合わせください。

お問い合わせはこちらから。

この記事を書いた人

一杉 浩史

専門はまちづくり。自治基本条例や総合計画、地方創生総合戦略などの策定を支援。何足のわらじを履いているか自分でもわからない(笑)。

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